2011 Fiscal Year Annual Research Report
末梢動脈疾患(PAD)への包括的リハビリテーションの有効性の確立
Project/Area Number |
22650121
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00361072)
森 信芳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50463790)
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Keywords | リハビリテーション / 末梢動脈疾患 / 間歇性跛行 / 監視下運動療法 |
Research Abstract |
間歇性跛行症状を有する血行再建術の適応でない中等症以上のPAD症例に対して、運動療法・薬物療法・食事療法・日常生活指導による包括的リハビリテーションを実施し、各種パラメータへの効果を検討した。10名の中等症以上のPAD患者(血行再建術後血管再狭窄した患者5名と合併症などのリスクで血行再建術の適応外になった患者5名)を対象に12週間の監視下トレッドミル運動を実施した。運動療法介入前後で歩行能力として無痛歩行距離と最大歩行距離を、健康関連QOL(Health-related Quality of Life;HRQOL)としてMedical Outcomes Study 36-item Short-Form(SF-36)とWalking Impairment Questionnaire(WIQ)を評価・比較した。運動療法は、無痛歩行距離と最大歩行距離を有意に延長し、SF-36「身体機能」「活力」とWIQ「歩行距離」「歩行スピード」を有意に延長した。無痛歩行距離とSF-36「日常役割機能(身体)」「活力」にのみ介入後で正の相関があり、最大歩行距離とSF-36下位尺度のスコアには介入前・後で相関が見られなかった。無痛歩行距離と最大歩行距離はWIQ4項目のスコアと介入前に相関があり、特に最大歩行距離はWIQ「階段」のスコアと介入後でも相関が見られた。血行再建術の適応外と判断された中等症以上のPAD患者において、運動療法は歩行能力とSF-36およびWIQのスコアを改善させる。しかし、疾患特異的QOL尺度であるWIQのスコアにおいても、歩行能力の間に運動療法の介入前でのみ正の相関が認められ、運動療法の介入後の客観的な歩行能力と患者自身の主観的評価は一致しないことが示唆される。
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Research Products
(4 results)