2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の運動療法に活用可能な簡易有酸素運動能力評価法と「基準値」の確立
Project/Area Number |
22650125
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
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Keywords | 理学療法学 / 糖尿病 / フィットネス |
Research Abstract |
適切な有酸素運動能力(cardiorespiratory fitness; CRF)を保つことが2型糖尿病(DM)の予防・治療に有効であるが、DM患者のCRF測定法、CRFと他の身体要素との関係ならびにCRF基準値は明らかでない。 本研究は、呼吸・循環器疾患で信頼性・妥当性が検証された既存の簡易CRF測定法であるシャトルウォーキングテスト(shuttle walking test; SWT)を用いて、DM患者が理解しやすい歩行距離に基づくCRF測定法を作成し、同時にCRFと日常活動量、体組成との関係を踏まえながらCRFの基準値を確立することである。 本年度は、第一段階として、1.簡易運動負荷テスト(SWTプロトコール)の改良と、2.歩行能力に影響を与える下肢筋量を推定するための体組成測定の予備調査を行った。 1.SWTプロトコール改良 日本人には速すぎる歩行スピード(30m~142.2m/min、1から12ステージ)を最大114m/minに変更したプロトコールを作成し,健常者20名のCRFを測定した。一部対象者では呼気ガス分析装置(AT-1100)を用いて酸素摂取量増加の直線性と再現性を確認したが、SWT原法に比べ直線性は増すものの9から12ステージでは対象により直線性を維持できなかった。2回のテスト終了時の歩行距離,酸素摂取量の差は7%未満であった。 2.下肢筋量を推定するための体組成測定 生体インピーダンス法(bioelectrical impedance analysis; BIA)で下肢筋量推定が可能か否か、DM合併者を含む透析患者12名の体組成を測定(InBody430)した。維持透析前後の体水分量は透析量と経口摂取量の差をほぼ正確に反映し、下肢筋量に差はなく、活動量が低い者ほど下肢筋量が少ない傾向が認められた。
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