2010 Fiscal Year Annual Research Report
PC12m3細胞を指標とした温熱と電気刺激併用による新しい物理療法の開発
Project/Area Number |
22650133
|
Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
河村 顕治 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (40278974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 良男 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (70116200)
|
Keywords | 温熱刺激 / 電気刺激 / 培養神経細胞 / 神経再生 / 変形性膝関節症 / 物理療法 / リハビリテーション / 疼痛 |
Research Abstract |
適度な温熱や電気刺激は神経突起の伸長を促進する。我々は神経再生の研究に用いられているラットの副腎髄質褐色細胞腫由来のPC12細胞から古典的MAPキナーゼ(ERK)経路に作用する神経成長因子には反応しないが、p38 MAPキナーゼ経路に働く薬剤や物理刺激で細胞死ではなく神経分化を起こすMAPキナーゼ経路に変異をきたしたPC12m3細胞を開発した。この細胞を利用して腰痛や変形性膝関節症に有効とされる温熱と電気刺激の神経細胞に対する併用効果のメカニズムを解明し疼痛改善のために最適な条件を求めることを目的とした。温熱と電気刺激それぞれ単独で刺激した研究では温熱刺激については44℃で10分間の刺激が最も有効であり、電気刺激条件に関しては、100mAで30分通電したものが最も神経突起形成が良好であった。この結果は人体に応用するとそれぞれが過大な負荷で苦痛を生じるレベルである。44℃で10分加温というのは熱すぎるし、100mAで30分通電というのも痛くて耐えられる刺激ではない。そこで、両者を併用すれば快適な刺激条件になるのではないかと考えた。すなわち実現可能な40℃の温熱で人体が耐えうるレベルの通電で効果が得られるのであれば臨床応用可能である。温熱と電気刺激併用では40℃の温熱刺激のみ15分では神経突起の形成は見られず、40℃で15分通電するという条件では10mAでは僅かな神経突起の形成率で、100mAでは良好な神経突起形成が認められたが一部の細胞は死滅した。温熱と電気刺激それぞれ単独で刺激した結果を人体に応用するとそれぞれが過大な負荷で苦痛を生じるものである。しかし温熱と電気刺激併用では100mA以下の電流を40℃で15分通電すれば良好な神経突起形成が認められるので臨床でも実施可能である。
|
Research Products
(2 results)