2010 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒和イオン液体を用いた柔軟かつ伸縮するアクチュエータ素子
Project/Area Number |
22650137
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木村 元彦 静岡大学, 工学部, 教授 (20195382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 准教授 (40313936)
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Keywords | イオン液体 / アクチュエータ / 有機イオン |
Research Abstract |
本研究は、人間型ロボットの動力源、介護・看護におけるパワーアシストの動力源として、柔軟かつ、電流印加によって伸縮させることのできるアクチュエータ素子を実現することを目的とした。本研究において開発を試みたアクチュエータ素子は、伸縮性のある有機高分子材料内に、有機イオン液体を分散させ、有機高分子表面に設置した電極から電流を印加することにより、有機高分子内で有機イオンを移動させ、有機高分子の体積変化による変位を得るものである。先ず、有機高分子であるPVDF内に有機イオン液体である[BMI][BF4]とカーボンナノチューブを分散させ、その表面に銀ペイントによって電極を設けた素子を作成し、±3Vの電圧を印加した処、印加する電圧の方向に応じて±3mm程度の変位を観測した。つぎに、より伸縮性の大きな有機高分子として、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、シリコン、SBRゴム、NBRゴム、フッ素ゴムを用い、約10種類の有機イオン溶液を用いて同様のアクチュエータ素子の試作を試みた。フッ素ゴムと1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとの相溶性が最も良好であった。しかしながら、試作したアクチュエータ素子の電気伝導度が比較的小さく、有効な変位を得ることは困難であり、有機イオンが移動しやすい条件を開発する必要のあることが判った。
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