2011 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ実践への応用に適した研究法:身心の自己調整システムを用いた研究の試み
Project/Area Number |
22650142
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂入 洋右 筑波大学, 体育系, 准教授 (70247568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
征矢 英昭 筑波大学, 体育系, 教授 (50221346)
木塚 朝博 筑波大学, 体育系, 准教授 (30323281)
中塚 健太郎 筑波大学, 体育系, 特任助教 (00609737)
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Keywords | 研究法 / 個人差 / アウトカム / スポーツ / 心理状態 / セルフコントロール / 自律訓練法 / パフォーマンス |
Research Abstract |
スポーツにおいて高いパフォーマンスを発揮できる心身の状態は、競技の特性や選手の個性による差が大きく、各自に適した調整方法も異なっている。このような個人差の大きな現象には、一般法則の検証を目的とする通常の科学的研究法を適用するだけでは有効な成果が得られないため、実践活動の成果(アウトカム)の向上に寄与する新たな応用的研究の方法論と具体例を提示することが、本研究の目的である。 最終年である本年は、バスケットボール、テニス、ゴルフの選手を対象に、フリースロー、サービス、パッティングなどのプレイにおけるパフォーマンス(アウトカム)の高低と関連する心理状態(包括的媒介変数)を選手個人ごとに設定し、目的に応じた身体技法(自律訓練法、軽運動、ルーティン)を活用して、心理状態を各自の最適エリアに調整する“身心の自己調整システム“を活用した研究を、昨年から継続して実施した。結果として、個に応じた介入を実施しながら、その介入システム全体の有効性を事例的ではなく実証的に検証することができた。この研究が基盤とする新しい応用的研究法は、“アウトカムと個人差を重視した統合的実践システムの有効性の評価”を副題とする論文にまとめ、成果を公表した。 本研究で提案された研究法は、一般法則的なメカニズムの解明を主目的とした基礎科学的研究とは異なり、最終的なアウトカムの向上を主目的とした実践に役立つ応用科学的研究の発展を促進する意義を有する。本研究ではスポーツにおけるパフォーマンスの向上をアウトカムとした場合の研究例を提示したが、仕事や勉強の成績、作業能率や事故の発生など、多様なアウトカムに対して同じ研究法を適用することが可能であり、産業・教育・医療・保健・福祉などの幅広い領域における活用が可能である。
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Research Products
(9 results)