2012 Fiscal Year Annual Research Report
体験の質から見た大学一般体育受講学生の負の遺産と教員の心理的疲弊に関する研究
Project/Area Number |
22650143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 国広 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (10212838)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 体験の質 / 一般体育受講学生 / 負の遺産 / 教員の心理的疲弊 |
Research Abstract |
最終年度の目的は、次の2点である。1)大学一般体育受講学生の体育・スポーツにおける「負の遺産」とも呼ぶべきネガティブ体験と、それを指導する担当教員の「疲弊」との関連性を明らかにすること。2)その結果を踏まえて、どのような調査用紙やツールの開発と活用、および授業展開をすれば、より深い学びにつながる可能性が高い授業実践となるかについて、事例的に考察して提言を行うこと。 学生の背景にある体験を把握するために、体育授業の背景調査、体験からの学び調査の2種類のオリジナルの調査用紙を開発した。1)に関しては、これらの調査用紙の活用によって、学生の背景にある体験の質の把握が容易となり、学生全体の傾向に加えて、個人の背景についても掘り下げることが可能となった。また、「負の遺産」と「教員の疲弊」には相互に関連性が認められ、過去の体育・スポーツ体験の質が低い学生の授業での取り組みや行動・言動から、担当教員はかなりのストレスを感じ、その打開策が見出せなかったり、状況を共有して共感したりサポートしてくれる教員や仲間が乏しかったりすると、結果としてかなりの疲弊状態に陥る可能性があることがわかった。また、「負の遺産」の延長線上にある現在の学生の振る舞いから、教員の意欲が下がり、結果として授業の質の低下や、教員と学生の関係の悪化等が予想された。 2)に関しては、授業での学びを活性化するためのツールとして、PDCAサイクルを学習の基盤においた持続可能な自己能力開発用紙(SSDS)を開発した。その結果、SSDSの活用によってPDCAサイクルの考え方の理解と定着はもとより、根拠に基づいた学生の状況把握が可能となり、また学生相互の関係性に加えて教員と学生の関係にも好循環が生まれて、授業全体の活性化に役立つことがわかった。 結論として、授業活性化のためには、教員側の創意工夫と丁寧な授業実践の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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