2011 Fiscal Year Annual Research Report
多軸性自転車クランクの製作とトレーニング効果の検証
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22650149
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Research Institution | Tokyo Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
若山 章信 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (90310359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 雄太 東京女子体育大学, 体育学部, 助教 (90521485)
櫻田 淳也 東京女子体育短期大学, 保健体育学科, 准教授 (90287425)
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Keywords | 自転車 / クランク / トレーニング / リハビリテーション |
Research Abstract |
自転車クランクに軸を増やす(多軸性クランク)ことで,歩行や走行のトレーニングやリハビリテーションが可能と仮定し,本来ペダルが接続される部分に,「自由回転分節」を装着した.平成22年度の実験における軸の数は(1)クランク軸,(2)クランク-自由回転分節軸,(3)ペダル軸の3つであった.多軸性クランクを装着した自転車エルゴメータでの運動と,トレッドミルでの歩行・走行を比較した結果,多軸性クランクによって歩行や走行のような三角形に近い楕円軌道が観察された.ただし,自由回転分節が1本であったため,引き上げから踏み込みに至る部分で,「カラ打ち」などのギクシャクした動きとなった. 平成23年度にはこの点を改良するため「自由回転分節」をさらに増やし,軸の数は(1)クランク軸,(2)クランク-自由回転分節軸,(3)自由回転分節-自由回転分節軸,(4)ペダル軸の4つとした.自由回転分節を120mm,80mm,40mmの3種類作成し,160mmのクランクとの最適な組み合わせを検討した.ヒトの下肢長比(大腿,下腿,足部)を考慮した160-120-80mmや160-120-40mmの組み合わせでは,40mmの分節のみが空回りする現象が起き,全く運動課題を遂行できなかった.これには、ペダルを装着する末端の自由回転分節が最も短かったことが起因していると考えている。また、クランクと自由回転分節との総長が長くなりすぎ、ペダルと地面が激しくぶつかるような動きも発生した。この点の改良が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自転車のクランク軸を増やす(自由回転分節を装着する)ことによって歩行・走行運動に近づけることは、概ね予想どおりであった。しかし、後方から前方へのスウィング前半の動きに改善の余地があり、より良いクランク長および自由回転分節との組み合わせを模索中である。したがって、トレーニング効果の検証には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
クランク長および自由回転分節との組み合わせにおいて、ヒトの下肢長比にこだわらずに最適な組み合わせ(例えば160-40-120mm)を探るとともに,より歩行・走行に近づけるアタッチメントの開発を試み,トレーニング効果の検証までを実施する.なお、トレーニング効果については、長期的なトレーニングによる筋力等の変化よりも、新たな運動器具の使用による動きの発生を検証する方向で検討中である。
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