2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動は骨格筋筋芽細胞から褐色脂肪細胞への分化を誘導するか
Project/Area Number |
22650154
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / 骨格筋 / 水泳運動 / Mfsd2a / BMP7 / DNAアレイ / 寒冷曝露 / βアドレナリン受容体 |
Research Abstract |
【目的】褐色脂肪細胞は熱産生を介したエネルギー消費能を有することから、新たな抗肥満療法の確立への有力なツールなることが期待されている。本研究では、褐色脂肪細胞の分化機構へ及ぼす運動の効用について、分子レベルからの検討を試みる。 【平成24年度の結果】すでに、水泳運動群は、ポジテイブコントロールである寒冷曝露群と同様に、肩甲骨周囲骨格筋群の褐色脂肪細胞化を促すことを見出している。本年度は、DNAアレイ解析より、対照群と比較して2倍以上発現の低下する遺伝子には、水泳運動群と寒冷曝露群間に顕著な違いは認められなかった。一方、2倍以上増加する遺伝子では、水泳運動群と寒冷曝露群でそれぞれ固有の変化が観察された。寒冷刺激やβアドレナリン受容体刺激によって褐色脂肪組織で発現の増加するmajor facilitator super family domain containing 2a (Mfsd2a) 遺伝子の発現は、寒冷曝露群と比較して水泳運動群で約4倍の増加を示した。加えて、褐色脂肪細胞化促進作用を有するbone morphologic protein 7(BMP7) 遺伝子の発現は、寒冷曝露群と比べて水泳運動群で有意に増加し、骨格筋抽出液中のBMP7タンパク質量も同様の結果を示した。骨格筋の収縮はP38 mitogen activated-kinase (P38MAPK)のリン酸化を亢進させるが、寒冷曝露群と水泳運動群の両者においてP38MAPKのリン酸化に変化は認められなかった。すなわち、水泳運動は僧帽筋や棘下筋における褐色脂肪細胞化を促すが、これは骨格筋の収縮に依存するというよりは、むしろ増加したBMP7の作用により生じることが示唆された。現在は、C2C12細胞株を試料として、Mfsd2aとBMP7の作用についてin vitroの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)