2010 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸循環カップリング指標を用いた新規ストレス強度判定システムの開発
Project/Area Number |
22650155
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新関 久一 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00228123)
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Keywords | 位相同期 / 呼吸性不整脈 / 精神課題 / 唾液アミラーゼ / クロモグラニン |
Research Abstract |
精神ストレス課題における液性ストレスマーカーと本研究で提案するストレス指標の比較検証を行った。2桁の暗算課題を用い時間の切迫(5秒以内に解答),正答率への重圧など心理的ストレスをかけた。5分間の安静後,被験者は100問正解するまで暗算課題を行った。被験者から唾液をサリベット管に採取しクロモグラニンA活性を測定した。また,同様のプロトコルで唾液中αアミラーゼ濃度を計測した。ストレス指標として心拍リズムと呼吸リズム間の位相コヒーレンスを用いた。心拍リズムと呼吸リズムの瞬時位相から位相差を算出し,10秒毎の位相コヒーレンスλを求めた。また,心拍リズムの瞬時振幅Mを呼吸性不整脈の大きさとした。安静時,ストレス負荷時,ストレス回復時におけるλとMの時系列変化と唾液アミラーゼおよびクロモグラニンAとの間にどのような相関関係があるか7名の被験者で解析した。 λは安静時(0.68)から暗算開始後2分後(0.53,P<0.05)と7分後(0.49,P<0.01)に有意に低下し,終了後に安静時の値(0.72)に戻った。Mも同様の変化を示し,暗算開始後2分後(24,9ms,P<0.05)と7分後(19.8ms,P<0.05)に有意に低下した。λとMの間には有意な相関が見られた。唾液中のαアミラーゼは暗算開始後750秒後に有意に増加した(P<0.05)。Mの絶対値は被験者間の変動が大きいが,λは0~1の間で評価できることから,呼吸性不整脈の正規化した指標として推定できる可能性が示された。クロモグラニンAを計測するためクエン酸を含んだ脱脂綿に唾液を採取したが,クエン酸の影響で唾液流量が増し安定した計測値が得られなかった。クロモグラニンAの定量的計測は次年度の課題としたい。
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Research Products
(4 results)