2010 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科野菜の発がん抑制作用を得るための摂取目標量と個人差のヒト尿を用いた測定
Project/Area Number |
22650174
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 考志 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90285247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 秋佳 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター, センター長 (30164544)
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Keywords | イソチオシアン酸 / ダイコン / アブラナ科 / 尿 |
Research Abstract |
ダイコンの辛味成分である4-methylthio-3-butenyl isothiocyanate(MTBITC)はE.coli B/rWP2株の紫外線誘発突然変異を抑制すること,ハムスター膵がんをイニシエーション段階で抑制することが明らかになっている.本研究では,ヒトが膵がん予防効果を得るために必要なダイコン摂取目標量を推定するために,isothiocyanate(ITC)の代謝物のdithiocarbamate(DTC)を指標としたMTBITC生体内利用能を求める方法の確立を試みた. まず試薬として必要であるが市販されていないMTBITCの代謝物である4-methylthio-3-butenyl dithiocarbamate(MTBDTC)を化学合成した,MTBDTCと同様の合成手法で日本人がよく摂取する6種類のアブラナ科野菜のisothiocyanate由来の各種DTCを得た上で,MTBDTCと6種類のDTCとを逆相HPLCで分離定量する条件を決定した.この条件により分析すると尿中のMTBDTCを他の食事由来のDTCと分別定量することが可能となった. これまでの尿への総DTC排泄量を測定する方法は,簡便であったが,試験期間中は被験者にITCを含むアブラナ科野菜の摂取の禁止を強いるものであった.本研究では被験者の負担軽減を目的として,日本人がよく摂取するアブラナ科野菜由来の各種DTCとMTBDTCとを分離定量して尿中のMTBDTCの個別定量を可能としたことで,被験者は試験時に摂取するダイコン以外のアブラナ科野菜は自由に摂取できる低負担の方法を確立した.特にMTBITC前駆体を摂取したときの尿中MTBDTCの定量値から腸内細菌叢のミロシナーゼ活性の個人差を決定する試験は数日を要するが,この試験において被験者の負担を大きく軽減することができた.
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Research Products
(1 results)