2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの食物摂取欲求が脳に及ぼす影響の非侵襲的計測研究
Project/Area Number |
22650178
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
外池 光雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 客員教授 (90357567)
|
Keywords | 食情報 / 食物摂取欲求 / 非侵襲的脳計測 / fMRI計測 / グルタミン酸ソーダ(MSG) |
Research Abstract |
本研究の目的は、人の食物摂取欲求が脳に及ぼす影響を非侵襲的計測手法による客観的計測法と心理実験による主観計測(官能検査)法とを組み合わせた実験と解析によって明らかにし、主観と客観との関係、食欲メカニズム・「おいしさ」の脳内情報処理のメカニズムの解明を行うことである。 そこで本年度は、食物摂取によって脳内部位の活性化/不活性化が可視化できる機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)法を用い、被験者が空腹状態/満腹状態の各条件下でグルタミン酸ソーダ(MSG)を摂取した後、時間を経過するにつれて脳内にどのような影響が見られるかをfMRI実験による脳画像計測を行うとともに、VAS(Visual Analog Scale)を用いた官能検査を実施することによって、この時の心理データをも計測し、これらの継時的変化状態の観測と解析を実施した。特に、fMRIによる脳計測では、我々がこの研究のために独自に開発したevent related fMRI法のタスクとして、被験者に食物関連画像と非食物画像(具体的には風景画像など)を提示することによって、食物摂取による脳内部位の変化と賦活部位を計測し、それらの継時的な応答脳画像の解析を行った。本研究では、全ての実験被験者に対して倫理規定に基づくインフォームドコンセントによる同意の下に食事の制御(空腹/満腹)を行ってもらい、午前中の定められた定刻に実験を実施した。本年度の上記研究によって、ヒトの食物摂取欲求が脳内に一定の影響を及ぼしている実態が明らかとなったので、fMRI脳画像応答データとVASによる心理実験データの対応、及び解析を進めている。また、本年度に得られたこれらの研究成果は、22年度の日本生体磁気学会、および日本味と匂学会等に口頭発表・論文発表を行った。
|