2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの食物摂取欲求が脳に及ぼす影響の非侵襲的計測研究
Project/Area Number |
22650178
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
外池 光雄 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (90357567)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食物摂取欲求 / 食欲のメカニズム / 脳の非侵襲計測法 / 機能的磁気共鳴イメージング(fMRI) / Visual Analog Scale(VAS) / 食物摂食中枢 / 島皮質(insula) / 前頭眼窩野(OFC) |
Research Abstract |
本研究は、ヒトの食物や食品の摂取欲求が脳に及ぼす影響を非侵襲的計測法を用いた客観計測と心理実験による主観評価(官能検査)法とを組み合わせた実験と解析によって明らかにし、主観と客観との関係、食欲のメカニズム・食の「おいしさ」の脳内情報処理の解明を目的とする。また、このような脳内の食物・食品摂取欲求の仕組みを応用して、現実的な課題である肥満解決への方策、過食症や拒食症の治療・予防への適用、健康な食生活・食育のための生活改善・生活の質(QOL)向上等に活かす応用を目指す。 本年度は、本研究課題の最終年度となるため、食物摂取によっていかなる脳内部位が活性化されるか、また如何なる部位は不活性であるかを可視化する方法として、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)法を用いて、空腹状態/満腹状態の各条件下での食物摂取実験を行った。この実験では、時間の経過とともに食物摂取後に脳内の影響をevent related法によるfMRI撮影で観測するともに、我々が独自に開発した心理学的なVAS(Visual Analog Scale)法を用いた官能検査実験による評価も行った。また、この実験では、あらかじめ食物摂取時に制御した4条件(空腹/満腹 x 食物有り/無し)によるfMRI撮影の解析を行い、食物摂取後の時間経過とともにリアルタイムに計測する実験を実施した。 以上の実験データを詳細に解析・分析した結果、脳内の食物摂食中枢、味覚の中枢である島皮質(insula)、および、前頭眼窩野(OFC)部に活性化が顕著に認められ、これらの脳部位で食物摂取欲求の処理が行われている結果が得られた。以上の研究成果をまとめて、味と匂い・食に関する内外の学会、神経科学の学会に研究発表を行った。これらの研究成果は、世界的にも未解明である食の摂食欲求に関する研究分野にとって極めて重要な意義のある成果であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)