2010 Fiscal Year Annual Research Report
食物成分刺激による摂食関連mRNA・miRNAの発現調節解析
Project/Area Number |
22650179
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松田 覚 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (50242110)
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Keywords | 遺伝子 / 生理活性 / 発現制御 / 食品 |
Research Abstract |
最初に培養細胞のcDNAライブラリーからグレリンやレプチンの遺伝子全長をクローニングした後、GSTやHisタグなどとの融合蛋白質を作製・精製し、培養細胞系における活性を測定した。また、種々のスパイス刺激やカプサイシンなどによって、摂食ホルモン産生がどのように変化するのかを培養細胞系において検討した。解析手法として、RT-PCR法、ウエスタンブロッティング法や蛍光組織染色法を用い、Jurkat細胞やHEK293細胞の他、U937やMKN7などで上記の解析を始めた。この結果、各種香辛料のエタノール抽出液刺激によって、特定の遺伝子発現制御が起こりうることを示した。たとえば、グレリン遺伝子は赤トウガラシによって発現が上昇した。その他、癌の発症や悪性化に関わるBRCA1やTIMP-1の発現がセージなどのハーブ抽出液によって変化した。また、しょうが抽出液によって心臓の機能をコントロールしているCNOT3の発現が上昇した。これらの発現はmRNAレベルだけでなくたんぱく質レベルでも検出された。これらのことより、香辛料やハーブの成分には未だ知られていない遺伝子発現制御を介した有用作用があることが示された。これら研究成果を欧文論文として複数報で発表するなど、本研究助成によって十分な研究の進展があった。香辛料が胃腸を単に刺激するのみならず、摂食ホルモンやサイトカインやマイクロRNAなどの遺伝子発現誘導を介して、積極的かつ機能的に食欲の調節を行うことが明らかにできれば、味覚以外での香辛料の有意義な作用を論理的に再発見できる可能性が高い。摂食ホルモンやマイクロRNAの解析は斬新であり、本研究でも明らかにしたような細胞生物学的に未知の知見をもたらすと考えられる。
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Research Products
(3 results)