2011 Fiscal Year Annual Research Report
粒子概念に基づいて自然現象を動的に表現する科学教育用ソフトと実践モデルの開発
Project/Area Number |
22650193
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 迅 宮崎大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90237470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 敏浩 香川大学, 総合情報センター, 教授 (90264142)
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Keywords | 粒子概念 / 科学教育 / ソフトウエア / 理科授業 / アニメーション |
Research Abstract |
1.粒子概念に関する理科授業を支援するソフトウエアGalopの開発と安定化 児童用に開発した動画作成・再生用ソフトウエアGalopの動作の不具合が指摘されていたため,まず,不具合が生じる条件と症状の特定に時間をかけた。そして,不具合を解消するためのソフトウエアの改良を実施した。これにより,動作の安定化がかなり実現したが,実際の授業で児童が使用すると,予期せぬ不具合が生じることがあり,まだ改良の余地は多い。 2.小学校理科授業における活用 小学校6年生・理科の「水溶液の性質」単元において,水溶液に入れた金属が溶ける現象に関する授業でGalopを利用する実践を行った。授業では,児童が水溶液の実験を行う前と後に,Galopを使用して自分の考えを表出させた。児童は,金属が小さい粒のような状態になって水の中に入り込んでいく過程を,自らの考えを動画で表現することができた。 3.成果の発表 国際会議でGalopの開発について発表した。また,国内の関連学会の全国大会,支部大会,研究会で本研究について報告を行い,当該領域に関わる研究者と意見交換を行った。日本科学教育学会年会においては,ワークショップを実施し,開発関係の研究者や,実際に学校で利用する教師と問題点を共有し,併せて意見の聴取を行った。 4.Webサイトからの提供 Galopの専用Webサイトにおいて,実際の授業で得られた情報などを元に改良されたGalopを提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変化を伴う現象を小学生が簡単に粒子モデルで表現する動画ソフトGalopの開発は進んでいるが,動作の安定化の点では必ずしも万全なところまで達していない。一つの教育実践モデルを水溶液に関する単元で作ることができたが,Galopの動作の安定化の問題があるため,教育実践モデルとして完全ではない状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したソフトウエアの安定化について,さらに推進しなければならない。そのため,実際の授業において想定される場面について,できるだけ多く適用する実験を実施して,実際の授業で児童が使用した場合でも安定して動作するような仕上げを行う。そして,あらためて実際の理科授業での使用での安定性の評価を実施する。
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