Research Abstract |
1.弦楽器(二胡)演奏時の視線の動きの分析 演奏者は,二胡を演奏する時,楽譜と楽器を交互に見ながら演奏を行っている.この視線の動きを,中級者と初心者を被験者として測定した.視線計測装置は,NAC社製のEMR-8B(既存)を用いた.視線の動きは,スキルにおけるインタラクションの過程の中で,知覚・認識と密接に関連があると考えられる. 2.弦楽器(二胡)演奏時の手指動作の分析 演奏者は,右手で弓を持ち,左手で二胡の弦を抑える.特に,左手については,弦をミリ単位で正確に抑えないと,正しい音高が得られない.したがって,手指動作の測定には,精密な測定方法が必要である.従来ならば,手指動作の測定には,データグローブを用いる方法と,手指にマーカを装着して複数台のカメラで追跡する光学式モーションキャプチャが用いられてきた.しかし,データグローブを用いる方法は,データグローブの方式が光ファイバやベントセンサなどを利用したもので,精度はさほど高くない.光学式は,基本的には精度は高いが,楽器演奏のように,手指が道具の陰に隠れて,カメラから見えない時には,精度が落ちる.このため,新たな手法として,磁気式位置センサLiberty(既存)を用いた.しかし,今回,測定に用いた実験室は,基幹電源の近くであったなどの理由で,部屋内の磁界が乱れており,正確な測定ができなかった.本課題は,次年度に実験条件を改善して行う予定である. さらに,指先に小型圧力センサ(既存)を装着し,弦を抑えるときの指圧力を中級者と初心者を被験者として測定した.さらに,右手に持つ弓にもレシーバを装着し,弓の動きを計測した.
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