2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会構築主義的能力観に基づく新しい形成的教育評価手法の研究
Project/Area Number |
22650208
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
加藤 浩 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80332146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 淳 筑波大学, システム情報工学研究科, 講師 (80345157)
葛岡 英明 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (10241796)
永井 正洋 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (40387478)
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 教授 (20323199)
久保田 善彦 上越教育大学, 大学院・教育研究科, 教授 (90432103)
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Keywords | 教育工学 / 分散協調教育システム / 教育評価 / 協調学習 / 形成的評価 / 社会構築主義 / 知識社会学 / 認識論 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は,活動の現場で相互行為的に可視化されるものとしての「実践能力」に基づいた,新しい形成的教育評価の方法を開発し,教育の場に普及させることである.本年度は以下の2つの項目を目標として研究開発を行った。 (1)以前に開発した状況内評価システムSounding Boardをベースに,評価を受けた学習者が,その場でその評価を次の行為に反映しやすいようなシステムを開発する. (2)そのシステムをプレゼンテーションやワークショップなどの協調学習の場にアクション・リサーチ・アプローチで導入し,その事例をもとに教育現場での活用モデルを開発する. (1)については、従来評価結果を表示する装置として大型スクリーンなどを用いてきたが、視認性に劣るうえ、すべてのデータをサーバ側で処理するため、サーバの負荷が高く、リアルタイムでの更新が行えなかった。このことは、わずか1秒の間でも多様に変化する相互評価のようなコミュニケーションを支援するには不十分であった。したがって、サーバで処理するデータは最新のデータのみとし、最新のデータは参加者のクライアントに送信しAjax方式で非同期に処理することで、リアルタイムでの結果繁栄が行えるようになった。これまでのシステムが更新に2秒かかっていたのに対し、新しい方式ではミリ秒単位での更新が可能である。 (2)については,相互評価において評価に使う形容詞(副詞)の選択が重要であるが、これまでは十分な検討が行われてこなかった。平成23年度は連携研究者としてマレーシア出身の学生から協力を得るころができたので、形容詞対の検討と共に、これら選択肢の国際比較を行った。その結果、直接的な表現を嫌う日本人の場合、よく利用される形容詞対も遠回しなものが多かったのに対して、イスラム、華僑など、比較的性格の違う民族で構成されたマレーシアでは、直接的な表現が好まれ、むしろ遠回しな表現は嫌われる傾向にあり、実際ほとんど使われることは無かった。このことからも、形容詞対の選択は重要であり、国際間は当然のことながら、国内であっても利用場面に応じた適切な形容詞対の選択が望まれることが示唆された。
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Research Products
(25 results)