2011 Fiscal Year Annual Research Report
eテストでの筆記行動データを用いた個人認証・非定常行動検出システムの開発研究
Project/Area Number |
22650210
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
赤倉 貴子 東京理科大学, 工学部, 教授 (80212398)
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Keywords | 教育工学 / 暗号・認証等 / eラーニング / ネットワーク / コンピュータテスティング / 異常検知 / 筆記認証 / 遠隔教育 |
Research Abstract |
高等教育機関が社会人のための再教育機関としての役割も担うためには、時間的空間的自由度の高いe-Learning Systemは必須であると考えられるが、単位認定のためのテストはその公平性の確保という視点から、同一場所に集合して実施されることが多い。しかし、社会人の学びやすさの立場からは、テストにおいても空間的時間的自由度の確保が必要であると考えられる。そこで、本研究では、時間的空間的に自由に受験できるインターネット上の非同期型テストシステム(e-Testシステム)において公平性が確保できる「個人認証法」及び「非定常行動検出法]を開発することを目的とした。平成23年度は、以下の事柄を実施した。 (1)平成22年度に実施した、「あらかじめ採取した参照用筆記データとe-Testでの解答筆記データを比較するための文字照合モデルを開発(DPマッチングやオペレーションズリサーチ(OR)手法の導入)」、「実際に模擬的にテストを実施」に引き続き、これらの手法を改良した。 (2)あらかじめ採取する参照用筆記データは、文字数が多くなれば、受験者に負担になることから、1文字を分割して、横線、縦線、斜め線、とめ、はらいなどに着目し、登録した文字と異なる文字が入力されても、認証に利用できるモデルを開発し、これを実験的に評価した。 得られた成果は、国内の学会で発表した。平成24年度は最終年度となるため、文字照合モデルを完成させ、さらに非定常行動検出(異常検知)のためのモデルの開発を行って実用化への基礎とする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度は、当初の計画以上に進展し、筆記の静的情報(筆跡)と筆記による動的情報(筆圧、ペンの仰角、方位角、座標など時系列で変化する値)のうちの筆圧を組み合わせた認証モデルや動的情報のいくつかを組み合わせた認証モデルを開発し、査読のある論文も発表したが、23年度は、その改良に取り組み、少ない登録文字でも、それ以外の文字が入力された場合に認証できることを目標に実験を繰り返したため、発表としては学会発表1件にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の成果である「少ない登録文字数で、それ以外の文字の認証も行うことができる」モデルの改良を行い、実用化に向けて、精度の向上をはかる。文字の分割方法は現在8方向としているが、これをさらに細分化し、かつ、個人の特徴に応じて重みをつけることで精度の向上がはかれると考えている。これを実施して、評価を行い、最終的に論文として投稿する予定である。
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