2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中田 高 広島大学, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (60089779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 博 広島工業大学, 環境学部, 教授 (20414394)
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Keywords | 活断層 / 地下レーダー / 伏在断層 |
Research Abstract |
本研究は,活断層の詳細な位置を変動地形学的に認定することが困難な沖積低地や断層の末端部において,地下レーダーを用いて地下構造をもとにその位置を確認する手法を開発することを目的とした.しかしながら,地層の堆積状況の把握にはある程度乾燥した未固結の細粒堆積物であることが重要であり,日本のような湿潤で地下水位の浅い地域では,以下の通り地下レーダーを活断層調査の有効な手法とするには極めて厳しい制約があることが明らかになった. 1.周波数の異なるアンテナの性能:周波数の異なる電磁波を発生させる3種類のアンテナを用いてテストを行った結果,200kHzアンテナが地層の堆積構造を把握する例が多かった. 2.断層変位構造の把握:(1)横ずれ断層では,島根半島鹿島断層を事例に活断層を横切る多くの測線で計測を行ったが断層変位構造を把握することができなかった.これに対して,四国中央構造線西部の板野断層では,相対的に乾燥した段丘面上の稲刈り後の水田の活断層推定位置にフラワーストラクチャーを示す構造を確認できた.(2)逆断層では,福井県若狭町能登野において三方断層が沖積扇状地を横切る測線で,地表の撓曲変形に対応して堆積物が緩やかに撓み下がる構造を把握することができた. 3.機材の改良:次年度の調査を効率的に行うために,固定式の探査装置を機材(本体及びアンテナ)を運搬する移動装置を作成し調査側線長を大幅に改善することができた. 4.乾燥した浜堤の堆積構造:鳥取県弓ヶ浜や徳島県鳴門市などの海岸で実施した調査では,砂層の堆積構造を明瞭に把握することが可能であった.このため,活断層が浜堤を横切るような場所を探し出し調査する必要がある.
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