2010 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉転換可視化システムを用いた癌浸潤転移阻害化合物スクリーニング
Project/Area Number |
22650229
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80264282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 一郎 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 室長 (20311441)
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Keywords | 細胞・組織 / 癌 / 発生・分化 / 遺伝子 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
癌が悪性化して浸潤・転移をきたす過程において、癌細胞がその上皮としての性質を喪失し、線維芽細胞などの間葉系細胞のような振る舞いを呈する、いわゆる上皮-間葉転換(epithelial-to-mesenchymal transition;EMT)と呼ばれる現象を示す。私共は、Fibroblast Growth Factor Receptor 2及びCD44の上皮特異的なスプライシングを制御する分子として最近同定されたEpithelial Splicing Regulatory Protein 1及び2(ESRP 1 and ESRP2)に注目し、ESRP遺伝子のプロモーター領域の下流にGFPをつないだベクターを細胞に導入し、EMT/METを検出することを目的として研究を行った。まず、ヒトESRP1のプロモーター領域約1.5kbをPCR法にてクローニングした。そして、GFPを発現するベクターのプロモーター領域をこのESRP1プロモーターと置換したベクターを作製した。このGFP発現ベクターをESRP1の発現がほとんど認められないヒト膀胱癌細胞株(T24細胞)およびESRPIの発現が認められるヒト肺癌細胞株(Calu-1細胞)に導入し、GFPの発現を観察した。ウェスタンでGFP蛋白質の発現量をみたところ、ヒト膀胱癌細胞株(T24細胞)と比べてヒト肺癌細胞株(Calu-1細胞)では数倍の発現が認められ、内在性のESRP1の転写状態をこのGFP発現ベクターでモニターしうることが確認できた。一方、蛍光顕微鏡でGFPの発現を観察したところ、ヒト肺癌細胞株(Calu-1細胞)でGFPの発現をようやく確認できる程度であった。このため、もっと強いプロモーター活性を有する領域を取得する必要や、GFPより輝度の強い蛍光蛋白質に変更する必要があると考えられた。
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Research Products
(8 results)