2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍作用を示すアミノ酸抱合高分子ナノ構造体の創製
Project/Area Number |
22650237
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
城武 昇一 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (20143274)
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Keywords | 抗ガン物質探索 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
糖の水酸基と高い親和性を有するアミノ酸結合アクリレートナノポリマー粒子を69種類合成し、培養ヒトT細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、また上皮系ガン細胞株の大腸癌、膵臓癌、肝臓癌のがん細胞株を用いてMTT-assayによって抗腫瘍効果をスクリーニングした。その抗腫瘍効果は、結合されたアミノ酸の種類を変えることによって濃度および時間依存性に調整でき、各癌腫に対して強い抗腫瘍活性を示したナノ粒子結合のアミノ酸は概ねGly,Asp,Asn,Hisであることを見いだした。 本ナノ粒子は癌細胞と接合し、デスリガンドレセプターを介してイニシエーターカスパーゼ8の活性化からエフェクターカスパーゼ3を活性化し、DNA切断によってアポトーシス様の細胞死を誘導してガン細胞を障害する。ヌードマウスを用いたがん移植抗腫瘍効果の検討に於いて、がんの腫瘍形成を本ナノ粒子が顕著に抑制し、その抗腫瘍効果においてはがんの治療およびがんの予防効果にも期待が持てることが判明した。 本研究はナノ構造体の接合がもたらす細胞機能のモジュレーションであり、化学療法耐性な再発ガンの治療と転移再発予防が可能となるばかりか、副作用の強い抗ガン剤を用いない抗腫瘍手段のパイオニアから、難治性がんの細胞治療を可能とするナノ医療の開発研究へ礎石となる。
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Research Products
(4 results)