2010 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸の同位体組成を指標に用いた植物の窒素同化過程解析
Project/Area Number |
22651001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角皆 潤 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (50313367)
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Keywords | 硝酸 / 同化 / 三酸素同位体組成 / 植物 / アンモニア / 窒素同位体組成 / 笹 / 凍結乾燥 |
Research Abstract |
本研究は、樹木を中心とした植物の個体内に取り込まれた無機窒素化合物について、その起源や個体内における同化過程を明らかにすることを最終目標としており、このため、表面に付着した無機窒素化合物を完全に除去した上で、植物体内から硝酸イオン(NO_3^-)等の無機窒素化合物の抽出を行い、各分子の自然同位体組成を定量することを計画している。研究の初年度に当たる平成22年度は、無機窒素化合物の抽出法や、その分子別の同位体組成定量法の確立など、準備研究を中心に行った。具体的には以下の通りである。 市販のものを購入したり、近隣の山林で採取したりすることで、植物試料5種類(椿、笹、フキ、ほうれん草、熊笹)をそれぞれ大量に用意し、同位体測定に最適な無機窒素化合物の抽出法を検討した。具体的には、純水を用いて外表面部を洗浄した上で、(1)そのまま純水で抽出、(2)KCl水溶液等で抽出、(3)粉砕の上で(1)もしくは(2)によって抽出、(4)凍結乾燥・粉砕の上で(1)もしくは(2)によって抽出、等を検討した。また抽出液と夾雑物の分離には、(1)遠心分離、(2)各種フィルターによる濾過、(3)限外濾過、(4)吸着剤による除去、などの各種手法を検討した。植物試料そのものの他に、同位体組成既知の試薬の内標準添加を行った試料の処理・分析も行い、最適な抽出・前処理条件を検討した。その結果、凍結乾燥・粉砕をした上で一定量の純水で無機窒素化合物を抽出し、この上澄液を濾過する前処理法が最適と結論した。 また次年度に本格化するフィールド観測研究の準備研究として、北海道大学の雨龍研究林においてフィールドでの試料採取方法等にういて検討を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Tracing the fate of atmospheric nitrate deposited onto an oligotrophic lake in eastern Asia2010
Author(s)
Tsunogai, U., Daita, S., Komatsu, D.D., Nakagawa, F., Tanaka, A.
Organizer
American Geophysical Union, 2010 Fall Meeting
Place of Presentation
San Francisco, CA, USA
Year and Date
20101213-20101217
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