2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋有機物動態を解く鍵物質「グリコカリックス」の提案・機能検証
Project/Area Number |
22651005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50133129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 民人 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (60313988)
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Keywords | 糖鎖 / 物質循環 / 有機地球化学 / 溶存有機物 / 縣濁態有機物 |
Research Abstract |
本研究では、海洋の有機物プールに2種類のグリコカリックスが存在することを想定する。1つは、生細胞が分泌するグリコカリックス(糖衣)であり、もう一つはバイオフィルムマトリックスを構成するグリコカリックスである。両者とも複合糖質の複合体であることは同じだが、前者は「生きた」有機物で複雑ではあるがリジッドな構造を持つ糖ポリマー、後者は「死んだ」有機物で分解産物も含む不定形ゲルとして存在していると考えている。グリコカリックスを構成する複合糖質は特徴的な化学的性質及び組成を有している。複合糖質の化学的性質を基礎に海洋有機物を分画・精製し、精製画分から個々の複合糖質を分離し、特有な成分を検出すればグリコカリックスの存在と機能に関する情報が得られる。初年度である本年度は、デトリタス生成に関する研究について、外洋域表層水から採集した懸濁有機物試料採取を行った。 有機凝集体生成に関する研究では、プランクトンネットにより捕集された天然プランクトン群集試料を行った。また、FACE法の分析条件の最適化を行った。溶存有機物中からではあるが、2糖から23糖までの複合糖質が存在していることが確認でき、懸濁態有機物に適用しても十分なスペックをもつ分析方法を開発することができた。
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Research Products
(6 results)