2010 Fiscal Year Annual Research Report
重金属複合毒性予測モデルの構築及び生態影響評価手法の開発
Project/Area Number |
22651011
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加茂 将史 独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 研究員 (90415662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 満 独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域個体群生態研究室, 研究員 (00188252)
永井 孝志 農業環境技術研究所, 有機化学物質研究領域, 研究員 (10391129)
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Keywords | Biotic Liand Model / 重金属 / 複合毒性 / 生態リスク評価 |
Research Abstract |
重金属毒性予測モデルであるBiotic Ligand Model (BLM)を用いて、重金属複合毒性の推定を行った。BLMはミジンコにおける毒性を予測するよう構築し、銅と亜鉛の複合毒性を例として推定した。モデルからは、銅と亜鉛の複合毒性は相乗的に作用することが示唆された。また、毒性における相乗作用は水の硬度が高いほど高くなることが示唆された。 モデルの検証を行うため、オオミジンコを用いた48時間急性毒性試験をおこなった。銅(硫酸銅)と亜鉛(硫酸亜鉛)の半数致死濃度(LC50)におけるオオミジンコ仔虫の生存率は、それぞれ0.6であったが、銅と亜鉛の混合の割合によっては、生存率が0.5-0.4(硬度100-200mg/L CaCO3)に低下した。よって、試験でも銅と亜鉛の複合毒性は相乗的に作用することが示唆された。また、生存率は、硬度100に比べて硬度200でより低下したことから、モデルと同様に毒性における相乗作用は、水の硬度が高いほど高くなることが示唆された。 藻類BLM開発に必要な情報を収集するため、藻類Pseudokirchneriella subcapitataを用いた72時間の細胞増殖速度をエンドポイントとして、銅と亜鉛、カドミウムの毒性試験を行った。生物利用可能量に顕著に影響を与えると考えられている、溶存有機物の一種であるフルボ酸の濃度により、増殖速度がどのように変化するかを調べた。結果として、フルボ酸濃度とEC50値(トータル濃度ベース〉との間に明確な関係は得られなかった。この結果を用いフリーイオンベースのEC50を計算することにより、BLMの構築に必要なパラメータを得る事ができる。
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