2011 Fiscal Year Annual Research Report
電磁処理による水配管のスケール防除の機構解明と応用
Project/Area Number |
22651023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 尚司 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00111253)
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Keywords | 電磁処理 / スケール / 炭酸カルシウム / ゼータ電位 / スケール付着防止 / 水処理薬品 / 環境技術 / 省エネルギー |
Research Abstract |
平成23年度は、前年度に引き続き、(株)テクノラボ、(株)亀山鉄工所及び東北大学病院の協力を得て、大学病院の蒸気発生器における電磁処理実証試験と実証データの収集を行った。また、(株)テクノラボ及び大陽日酸(株)の協力を得て、同社の冷却設備における電磁処理実証試験と実証データの収集を行った。これらから、フェライトヨークコイルの有効性と印加電磁場の周波数依存性、更には高周波数域(8kHz)又は低周波数域(4kHz)における逆帯電効果が確認された。本現象は、各種水処理薬品の帯電性に強く依存し、特に低周波数域におけるプラス帯電効果は、用排水に腐食防止剤等のカチオン性水処理薬品が添加された場合に顕著になる傾向が認められた。この電磁場周波数域による逆帯電効果は、実験室で炭酸カルシウム及び酸化チタン粒子のゼータ電位測定を行った際にも確認されていた現象であるが、現象の再現性が必ずしもよくなかったためにこれまで重視していなかった。しかし、各種水処理薬品との併用を行う場合には無視できない効果であり、機構解明の面からも非常に重要な知見である。 実証データの調査と吸光光度計による水質調査から、シリカスケール防止においては実操業上の水質管理基準値としてシリカ/Caモル比と導電率の重要性が明らかになった。これは電磁処理のための管理法を構築する上で、定量的指標の一つになるものと推定される。 また、大学病院の蒸気発生器における電磁処理前後のスケール物質の分析から、電磁処理前の硬質なスケールがシリカと炭酸カルシウムで形成されているのに対して、電磁処理後のスケールは大部分がシリカであることが判明した。このことから電磁処理によりカルシウム(及びマグネシウム)の付着が大幅に抑制されていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)