2010 Fiscal Year Annual Research Report
水から過酸化水素を生成する酸化セリウムを利用した新規なフェントン反応系の構築
Project/Area Number |
22651025
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
角田 範義 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30201411)
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Keywords | 酸化セリウム / 光触媒 / フェントン反応 / 過酸化水素 / メチレンブルー |
Research Abstract |
H_2O_2-Fe(II)イオン混合溶液を利用する光フェントン反応は、生成するOHラジカルを利用した廃水処理などの環境浄化に対し有効な反応として知られているが、反応の進行とともにFe(III)へのFe(II)酸化とH_2O_2の消費が進行するため、反応を持続させるにはこれらの連続供給が不可欠である。本研究では、CeO_2の注目されていない性質である光応答性に着目し、生成したH_2O_2およびFe(III)/Fe(II)レドックス反応を利用した持続可能な新規光フェントン反応系を確立し、新しい環境浄化システム構築を目的として研究を行った。 光触媒としてCeO_2、電子を捕獲するためにFe(III)としてFe(NO_3)_3水溶液を使用し、UV照射下にて水分解反応を行った結果、CeO_2光触媒の焼成温度が300~500℃では、酸素の生成はほとんど観測されなかったが、焼成温度の上昇とともに活性が高くなり、900℃で最大約15μmol/g-cat.の酸素生成が確認できた。さらに、900℃焼成CeO_2光触媒とFe(NO_3)_3水溶液を用い、ブラックライト照射下にてMB光分解反応を行った結果、MBの退色が認められた。CeO_2、Fe(III)溶液単独と比較し、CeO_2-Fe(III)共存下にてより高いMB分解能を示した事から、本反応系では、CeO_2光触媒作用とFe(III)/Fe(II)レドックス反応が共働した光フェントン反応が進行し、MBの分解反応が進行したものと考えられる。 今後は、光反応によって生成したFe(II)イオンおよびOHラジカルの定量を行い、CeO_2光触媒作用とFe(III)/Fe(II)レドックス反応による持続可能な光フェントン反応の進行を実証していく予定である。
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Research Products
(1 results)