2011 Fiscal Year Annual Research Report
水から過酸化水素を生成する酸化セリウムを利用した新規なフェントン反応系の構築
Project/Area Number |
22651025
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
角田 範義 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30201411)
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Keywords | 酸化セリウム / フェントン反応 / 光触媒 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
本年度は、以下の三つの項目を中心に行った。 1、OHラジカル生成能の評価:CeO_2-テレフタル酸-NaOH水溶液の懸濁溶液を用いたUV照射下におけるOHラジカル生成量から、CeO_2単独での正孔の酸化能力を評価した。その結果、300~500℃焼成のCeO_2は、ほとんど水を酸化しないが、700℃以上の高温焼成する事によりOHラジカル生成が起こり始め、900℃焼成にて最大OHラジカル生成能を示す事が確認された。 2、水の光酸化反応によるO_2生成能への影響評価:触媒として焼成温度の異なるCeO_2、電子受容体としてFe(NO_3)_3水溶液を使用し、UV照射下にて水の光分解反応を行った結果、焼成温度が300~500℃のCeO_2光触媒では、O_2生成はほとんどみられなかったが、焼成温度の上昇と共に02生成能が高くなり、900℃で最大約15μmol/g-cat.のO_2が生成した。 3、有機物の光酸化分解反応:最もO_2生成能が高かった900℃焼成時のCeO_2を用いて、メチレンブルーの光酸化分解反応を行った結果、CeO_2光触媒を用いた効果は認められなかった。この原因として、本反応系では、CeO_2光触媒作用とFe^<3+>還元反応によりO_2は生成するが、生成O_2のH_2O_2への再変換が律速となり、うまく進行しなかったものと考えられる。そこで、本反応系に、H_2O_2を添加して反応を行ったところ、Fe^<3+>に対しCeO_2が存在する事で、Fe^<3+>を利用したフェントン反応よりも高いMB分解率を示す事が認められた。この原因は、添加H_2O_2によるフェントン反応の促進がFe^<3+>の光還元を増加させることで水の光酸化分解で生成するO_2を増加させ、その結果、H_2O_2への変換量が促進したと考えられる。
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Research Products
(1 results)