2010 Fiscal Year Annual Research Report
実バイオマスから直接電気エネルギーを生み出す固定化生体触媒の開発
Project/Area Number |
22651026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 秀樹 神戸大学, 学長 (30263396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (90436551)
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Keywords | 固定化触媒 / バイオマス / バイオ電池 |
Research Abstract |
低炭素社会の構築に向けて、新しいエネルギー供給源としてバイオマスの有効利用法の開発が急務である。本研究では、初めにグルコース酸化酵素(グルコースオキシダーゼ)を固定化した電極を調製した。グルコースオキシダーゼは糸状菌Aspergillus oryzaeを用いて発現、精製した。このタンパク質をカーボンペースト電極に固定化し、グルコースを基質として電流を測定した。グルコースからの電流を確認し、続いでキシロースを糖源とした電流を測定した。これより、キシロースを糖源としても電流を取り出せることを確認した。更に、デンプンを炭素源とし、溶液中にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを添加して電流値を測定した。アミラーゼを添加しない場合には電流値は観測されなかったが、アミラーゼの添加に応じて電流が増加した。更に、αアミラーゼを添加した場合に比べて、αアミラーゼとグルコアミラーゼの両方を添加した場合、電流値が増加した。続いて、これらの酵素を電極に固定化することを試みた。初めにグルコースオキシダーゼとαアミラーゼを固定化した電極を作製し、グルコースからの電流を測定した。グルコースオキシダーゼのみを固定化した時とほぼ同等の電流が観測された。続いて、デンプンを用いて電流値を観測したところ、この2つを固定化した電極を用いた場合にのみ電流値の増加が確認された。以上より、バイオマス分解酵素とグルコース酸化酵素を固定化した電極を用いてバイオマスから直接電流を取り出すことに成功した。しかし、その電流変換効率はいまだ改善の余地がある。今後、より効率を向上させるべく条件検討を行っていく。
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