2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNAを鋳型に利用した金ナノコイルおよび2重らせん構造の金ナノワイヤーの創製
Project/Area Number |
22651035
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 武司 東京理科大学, 工学部, 教授 (10224718)
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Keywords | 金 / ナノワイヤー / らせん構造 / テンプレート |
Research Abstract |
新規両親媒性化合物の長鎖アミドアミン誘導体(C18AA)をソフトテンプレートに利用すると、金の(111)面が選択的に成長した幅数nmの直線状Auナノワイヤーの合成を我々は見出した。ナノワイヤーに関して、次のチャレンジングな課題は形態・形状などの二次構造制御である。本研究の目標は、DNAとハイブリッド化することによって、コイル状(ラセン状)のナノワイヤーの作製である。これを達成するためには、昨年度は金ナノワイヤーを水相に移動させる方法の確立と、DNAと親和性を付与するための金ナノワイヤーの表面修飾法の確立について検討したが、本年度は、C18AAがトルエン中でらせん構造を形成することがわかったので、金ナノワイヤーのらせん構造を作製するのにDNAではなく、C18AAのらせん構造の利用について検討することとした。 C18AAをトルエンに加熱溶解した後、ゆっくり冷却すると、厚みが数nm、幅が数十nmのリボン状らせん会合体が形成することがわかった。この会合体のらせんピッチは、C18AA濃度とともに増大し、150~300nmの範囲で制御できることがわかった。また、同時に幅も25nm~50nmに増大した。興味深いことに、有機化合物で被覆した金ナノ粒子を共存させると、リボン状会合体の両サイドに金ナノ粒子が1次元配列し、金ナノ粒子の一次元らせん構造の生成することがわかった。C18AAより炭化水素鎖が短いC14AAおよびC16AAでも同様の構造物が得られることもわかった。したがって、リボン状会合体に金ナノ粒子の代わりに、金ナノ粒子を作用させれば、螺旋状の金ナノワイヤーが容易に作製できる可能性があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金ナノ粒子の一次元らせん構造を新規界面活性剤をテンプレートに用いることにより作製できることを証明した。また、金ナノワイヤーを形態を維持した状態で有機相から水相に相間移動させる方法も確立している。したがって、目標の金ナノワイヤーのらせん構造体は、両方法をうまくコンビネーションさせれば達成できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
C18AAが形成するリボン状らせん会合体をテンプレートにして、金ナノワイヤーのらせん構造を作製する。さらに、らせん構造のピッチ等の制御についても検討する。DNAと金ナノ粒子のハイブリッド化とらせん構造形成についても検討する。
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