2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気誘導加熱によるナノ固相界面の温度制御に基づいた遺伝子増幅技術の開発
Project/Area Number |
22651046
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新垣 篤史 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10367154)
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Keywords | 磁気微粒子 / 遺伝子増幅 / 誘導加熱 / 核酸回収 / 細胞破砕 |
Research Abstract |
磁気誘導加熱の可能な磁気微粒子表面を反応場として利用する遺伝子増幅技術の開発に向け、本年度は、同技術開発の基盤となる磁気誘導加熱に基づいた核酸の磁気微粒子からの解離反応の制御について検討を行った。アミノ基を修飾した磁気微粒子に、ビオチンを反応後、さらにアビジンを反応させ、アビジン修飾粒子を得た。ビオチン修飾プライマーと蛍光標識プライマーを用いた逆転写PCRによって増幅したPCR産物をアビジン修飾粒子に固定化した。次に加熱によって粒子上のPCR産物を一本鎖化し、これに相補鎖的な蛍光標識プローブをハイブリダイゼーションさせた。約5000Wの出力で交番磁場を印加し、粒子上から解離した蛍光標識プローブに由来する蛍光強度を測定した。粒子上に固定化されたPCR産物の分子数、一本鎖化したターゲットにハイブリダイゼーションしたプローブの分子数、局所加熱によって粒子上から解離したプローブの分子数を評価することで、本遺伝子検出系の反応条件の検討を行った。ビオチン標識PCR産物のアビジン修飾磁気微粒子への固定化反応溶液を検討することで、一粒子あたりの固定化量の増加が確認された。この増加に伴い、一本鎖化したPCR産物にハイブリダイゼーションした相補的な蛍光標識プローブの分子数、および交番磁場印加に伴って解離したプローブの分子数の増加が確認された。また、鎖長が短いほど、解離率が高いことがわかった。このことから鎖長を短くすることで、解離反応を迅速化できることが考えられた。
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