2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ細胞パターニング技術を利用した植物細胞集積型酸素供給パネルの創製
Project/Area Number |
22651052
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮田 昌悟 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (70376515)
|
Keywords | 藻類細 / 細胞集積化 / マイクロ・ナノデバイ / グリーンバイオデバイス |
Research Abstract |
本年度は光合成機能を有する植物系細胞からなるマイクロスフェロイドの創製を目的として,以下の2項目の研究を行った. ・シロイヌナズナT87細胞を光合成機能を有する細胞の第一候補として選定した.T87細胞の誘電泳動特性の評価を行い,細胞の集積化条件を検討し,直径80~150μm程度のスフェロイドのアレイ化技術を確立した.さらに細胞スフェロイドを光照射下で培養したところ,光合成による酸素生成と推測される気泡が認められた。一方で,シロイヌナズナT87細胞は,ガラス基板上での生育性に乏しく培養2,3日程度で気泡の発生は低下する傾向にあった. ・植物系細胞の第2候補として,光合成および増殖能に優れた藻類細胞(クロレラ)を選定し,シロイヌナズナT87細胞で得た知見を元に藻類細胞の同様の集積化を行い,ガラス基材で構築されたチャンバ内に封入した.また,光照射下で培養を行ったところ,培養1日でシロイヌナズナT87細胞と比較して5~10倍の体積の気泡の発生が認められ,その後の2日間の培養で気泡が培養チャンバ内から消失した.これは藻類細胞の高い光合成能によって光照射下で光合成が急速に進んだ後に,チャンバ内の二酸化炭素量が不足したことで藻類細胞が陰呼吸を行い,酸素が消費されたことと考えられる.
|