2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ細胞パターニング技術を利用した植物細胞集積型酸素供給パネルの創製
Project/Area Number |
22651052
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮田 昌悟 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (70376515)
|
Keywords | 微細緑藻類 / 細胞集積化 / マイクロ・ナノデバイス / グリーンバイオデバイス |
Research Abstract |
本年度は光合成機能を有し,かつ,それにより酸素生成が可能となる植物系細胞集積化型のパネルを開発することを目的として,以下の2項目の研究を行った. ・初年度のシロイヌナズナT87細胞の光合成機能は酸素生成能は十分ではなかったために,新たに植物系細胞として微細緑藻類(chlorella)を選定した.Chlorellaの酸素生成能を検討したところ,T87細胞の10倍以上の値を示した.また,さらに光合成能を高めるためにアルギン酸ゲルビーズに包埋して三次元培養を行った.その結果,細胞を分散して培養するよりもゲルビーズに集積して培養する方が2~3倍程度の高い酸素生成能を示すことが明らかになった. ・確立されたゲルビーズ培養法を用いてchlorella包埋マイクロビーズを作製し,ガラス管内に封入して循環培養系を構築した.ゲルビーズを用いた循環培養は細胞懸濁液を用いた循環培養に比べて酸素生成量が高いことが確認された.懸濁培養では測定中にChlorellaが沈降してしまうため,光の照射効率が低く光合成が十分に行われなかったと推測される.一方で,Chlorella包含ゲルビーズによる三次元培養では,細胞が沈殿せずに三次元的な配置が維持されるために均一に光が照射され,より多くの酸素が生成されたと考えられる.この結果よりゲルビーズを用いた循環培養における光合成能の優位性が確認された.また,Chlorella包含ゲルビーズを用いた循環培養を行うことで,藻類細胞の光合成は6h維持することができた、
|