2010 Fiscal Year Annual Research Report
実質的にすべての非線形最適化問題を解決する確定的アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22651057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 誉人 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00205113)
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Keywords | 大域的最適化 / 非線形計画問題 / アルゴリズム / 空間計算量 / 列挙法 |
Research Abstract |
分離可能凹最小化問題に対する矩形分枝限定法では,事前に行った研究で空間計算量を問題規模の多項式に抑えることに成功しており,このアイディアを拡張してより一般の単調最適化問題を大域的に解くためのアルゴリズム開発を行った.問題の目的関数は単調増加か単調減少であることが求められるが,凸性などの仮定は必要なく,したがって複数の局所最適解が想定される多極値最適化問題である.これに分離可能凹最小化のときと同様,実行可能領域を複数の矩形に分割する分枝操作を適用するが,限定操作は線形ミニマクス問題を解くことで得られる下界値を使って実行する.計算効率を高めることが研究目的ではないが,既存のアルゴリズムと比較した結果,計算時間がかなり劣るため,現在,計算速度を向上させる工夫の検討を行っている. 多目的最適化問題の有効解集合上での最適化に対して,実行可能多面体の面を体系的に列挙することにより,有限時間で大域的最適解を求めるアルゴリズムを構築した。この問題は,実質的にすべての非線形最適化問題が帰着するDC最適化問題の特殊例で研究遂行の鍵となるが,残念ながら,構築したアルゴリズムを多項式空間量で収束させられるか,今のところ不明である. また,計算効率を高めるうえで有効な単体分枝限定法に対し,これまでに知られている収束証明とは異なる証明法を考案し,これを用いて新しい単体分技限定法の提案を行ったほか,多視点幾何に現れる非線形最適化問題を効率的に処理するためのアルゴリズム開発も行った.
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Research Products
(4 results)