2012 Fiscal Year Annual Research Report
実質的にすべての非線形最適化問題を解決する確定的アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22651057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 誉人 筑波大学, システム情報系, 教授 (00205113)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 数理計画法 / 大域的最適化 / アルゴリズム / 非線形計画問題 / 非凸計画問題 |
Research Abstract |
2階連続微分可能な非線形関数は二つの凸関数の差に分解できることが知られており,したがって実用上重要とされる殆どすべての非線形最適化問題は二つの凸関数の差を制約条件に含むd.c.最適化問題に等価変換できる.このd.c.最適化問題は,さらに補助変数を用いて凸集合上での凹関数の最小化問題に書き換えることが可能である.言い換えれば,効率よく凹最小化さえできれば実質的にすべての非線形最適化問題の解決が可能になる.この凹最小化を行うアルゴリズムとして錐細分化法と単体細分化法の2つの分枝限定法は,それぞれ60年代,70年代から広く利用されているが,限定操作に用いる緩和問題の最適解ωを錐や単体の細分化に用いるω細分化規則のもとでの収束が証明されたのはほんの十数年前のことに過ぎない.それ以前から,アルゴリズムが生成する入れ子状の錐列,あるいは単体列がある種の正則性を満たせばアルゴリズムは収束することが知られていたが,正則性が常に満たされるか否かは未解決のままである. 本研究では,正則性よりも緩やかな擬正則性が常に満たされることを証明し,そのことを使ってアルゴリズムの新しい収束証明に成功した.さらに,擬収束性を利用し,ω細分化とも単純な2分割とも異なる新たな細分化規則:ω2分割を提案し,この規則を用いたときにもアルゴリズムが収束することを証明した.また,計算機上での比較実験では,2分割を用いたときよりも遥かに,またω細分化規則にも引けを取らない効率の良さを発揮することを確認している.単体細分化法の結果に関してはすでに学術雑誌に採択され,錐細分化法に関しても投稿中である.また,ω2分割と従来のω再分割との間を補間する細分化規則に関して現在,論文執筆の準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)