2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22651059
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
道奥 康治 神戸大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40127303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 仁志 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50283867)
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Keywords | 国土計画 / 地理情報 / 自然共生 / 流域管理 / 土地利用 / 河川網 / 道路網 / 地域再生 |
Research Abstract |
大都市圏への社会活動集中と地方都市・農山村の過疎化など国土構造の二極化とともに地球規模の気候変動が見込まれる今後,持続可能な自然共生型流域圏の構築が求められている.本研究では,自然営力が許容できる生産活動規模や水資源量が流域地形に依存していること,道路構造は社会経済活動を反映したインフラ体系であることに着目し,河川ネットワークと道路ネットワーク間の幾何学的相似性を定量評価する相関解析を実施した.これによって,流域単位毎の自然共生度を可視化し,目指すべき自然共生型流域圏の整備目標の定量化を図った.まず,国内一級水系と海外の主要流域を対象として,自然・社会構造解析を実施し,地域の自然共生度(人為負荷量)分布とそこに展開される社会経済活動との関係を明らかにした.具体的には,地理情報から河川・交通ネットワークの線・面情報に関するデータ・セットを全国の河川流域について整備し,二つのネットワーク構造間の幾何学的相似性を算出した.これは,GISや各種データベースを利用して地理情報から自然環境や社会経済活動さらに両者の共生度を計測するパラメータとなる.一方,こうした基礎研究成果を持続可能社会の実現に適用するためには,社会経済の縮減を前提として国土・地域の再生を政策に反映するための意見発信が必要である.地理情報解析から評価された自然共生度を地域再生に反映することを念頭におきながら,日本学術会議の国土と環境分科会での議論を進め,中長期的な視点と広域的ガバナンスに基づく国土軸のデザイン戦略に関する具体方策を総括した.今後の国土軸形成のためには,モノからヒト重視の政策へと転換する必要があり,安全・安心の地域づくりを担う人材育成と流域圏の視点を持つ技術者教育についても調査研究を実施した.
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Research Products
(6 results)