2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物顔面パターン認識装置を用いた里山の食肉目群集の保全
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22651086
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金子 弥生 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60413134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷 雅理 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教
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Keywords | 外来種対策 / 在来種保全 / 資源保全学 / アライグマ / 画像認識 |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)~(3)の種間関係や画像データ取得を行った。 (1)新型行動追跡装置「IPカメラ及び画像取得システム」を用いた中型食肉目の行動把握試験 a)新型捕獲わなラクーンターミネーターの試作品の動作実験 昨年度に東京海洋大学との共同で開発した新型捕獲わなラクーンターミネーターを、東京農工大府中キャンパス内に設置し、動作試験、およびLAN回線を用いた遠隔地モニタリングによる動作状況の記録を行った。研究成果を社会貢献分野において2回口頭発表した(府中テクノフェア、アグリビジネス創出フェア)。 b)昨年度から行っている顔面識別用のデータベースの作成を継続して行い、識別用ソフト作成のための分析を行った。 (2)中型食肉目の個体追跡による環境選択調査、及び新型行動追跡装置の動作試験 昨年までにVHFテレメによる行動追跡を行ったアライグマとタヌキの種間関係のデータ解析を行い、論文作成を行った。これらの研究成果を基にして行う、個体ベースモデルシミュレーション(マルチエージェントモデル)についての勉強会を行った。 (3)里山の孤立緑地における中型哺乳類相のラージスケールでの生息状況把握 昨年度の調査から、森林内で食肉目を撮影する効果的な自動撮影装置の設置方法について、約200の森林のうちから、(1)森林面積、(2)孤立度、(3)形状といった生息地の要因に加えて、(4)周囲の緑地割合を加えた4つの景観構造に考慮し、30林分を調査地として選定、今年度は春期より選定した各森林で自動撮影装置の設置を行い、成果を口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アライグマワナの設計とフィールドにおける実地試験は、今年度までにおおむね終了し、社会貢献分野において口頭発表を2回行った。里山のアライグマとタヌキの種間関係のデータ分析は終了した。広域調査による食肉目群集の生息状況調査とデータ分析まで終了、学会において口頭発表も行った。今後の研究成果の保全へ応用するための個体ベースシミュレーションについても、見通しがついた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の課題は、これまでに得られたデータを学会や社会貢献分野で広く発表(口頭、論文)する。さらに、研究成果を統合して個体ベースモデルで広域シミュレーションを行うための方針についても、勉強会を行い見通しがつき始めている。この課題は今年度が最終年度であるため、今後の研究の継続方法について検討する予定である。
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Research Products
(6 results)