2012 Fiscal Year Annual Research Report
アラビア語資料とユダヤ諸語資料に見る聖書中の人物イメージの伝承と発展
Project/Area Number |
22651089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高階 美行 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (70144540)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地域研究 / 外国文学 / 西アジア / ユダヤ諸語 |
Research Abstract |
1.研究の目的に照らして (1)本研究は、宗教文化が異なるために異なった研究者が互いに交わることなく、研究対象としてきた聖書中の主要な人物のイメージに関する伝承とイメージの発展プロセスとを、アラブ・イスラーム文化ではあらギア語文献を、ユダヤ文化ではユダヤ諸語文献を使用しつつ分析し、インタラクティブな視点で伝承の成立、相互影響などの視点から跡付けることを目的としている。(2)このために、「アブラハムの妻ハガルと子イシュマエル」に関する伝承の発展経緯を分析した方法論を用いて、ユダヤ側伝承はイスラーム時代のかなり早期に(少なくとも知識人のサークルでは)アラブ側にも伝わった可能性があることを論じようとしている。 2.研究実施計画に照らして (1)聖書中の分析対象人物の特定:分析対象とする古典文献中に適切に分析可能な人物を特定するのが重要であり、記載文献数などの理由でヨセフ物語中の女性を次の分析候補とした。(2)ユダヤ諸語文献からの情報抽出:Pirke de Rabbi Eliezer「ラビ・エリエゼルの諸章」の分析のために、一部に終わったが、言及人物のリストを作成した。(3)アラブ・イスラーム側文献からの情報抽出:al-Kisa'iによるQisas al-Anbiya'「預言者物語」については言及する聖書関係人物の記載箇所のリスト作成を完了した。また、al-Tabariの歴史書とal-Tha'alabiの「預言者物語」については、ヨセフ物語関係個所の記載箇所リストを作成した。(4)アラブ側・ユダヤ側現代民話資料の調査:これについては、昨年の実績報告に記載したように、文献は収集したが調査まで進めなかった。(5)両文化における相互影響と発展の分析:ヨセフ物語に登場する女性を中心に分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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