2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22652008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 晋 京都大学, 文学研究科, 教授 (40156443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 康夫 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20314073)
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 京都学派の哲学 / WEBアーカイブ / テキスト生成研究 |
Research Abstract |
京都学派アーカイブを2012年11月11日より正式公開開始した。予定より大幅に遅れたものの、その分、当初予定していなかった多くの機能を盛り込むことができた。新聞発表を行ったところ、全国紙すべてと多くの地方紙、英字新聞や、WEBメディアなどに同アーカイブの記事が掲載され、それによTwitterなどで若手研究者よりの反響が大きく、西田・田辺以外の京都学派に拡大を希望するという意見が相当数みられた。 学術的研究の成果としては、次の2点が重要である。 林による、昭和9年の田辺元の講義録の分析がさらに進み、これに現れる矢印の図が物理学者フォークトによる今は廃れて使われることがないテンソル記号であり、それが種の論理の理論前年に「哲学通論」で発表された絶対弁証法の思想と関連づけられていると見られること、また、それが種の論理の着想直後でただし理論が形成された夏休み前であることなどが判明した。さらに、これにヒントを得て、出版物による研究が進み、雑誌哲学研究昭和9年1月号掲載の田辺の学生佐藤省三のテンソル理論を用いた自然哲学(ヘルマン・コーエンの微分の哲学の多次元版との位置づけ)が、種の論理の自然科学的モデルに決定的に役割を果たしていることがテキストの分析により明らかとなった。また、このことから、著名かつ悪名高い田辺の切断概念の「発生の歴史」を明らかにできる手がかりができた。これについては研究を継続中である。 また、藤田はその西田・田辺講演において、数年来、講義などでは言及してきた、田辺からの西田への影響という従来全くと言って良いほど無視されていた影響関係を、詳細なテキスト分析により明らかにし、田辺からの本質的影響が始まる時期までもを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)