2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22652037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 慶 東北大学, 加齢医学研究所, 教育研究支援者 (10547293)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 言語学 / 実験系心理学 / 神経・脳 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が日常的に行なっている言語理解に関して、文として入力される言語情報がまだ聞き手にとって未入力である場合、どのようにその未入力の情報を補うのかを心理指標のみならず脳機能の側面からも解明することである。予測処理と補完処理は実際には現れていない情報を処理する点において共通しており、先行研究においても心理実験により予測処理について検証されているが、その神経基盤、特に言語情報についてはまだ稀である。一方、運動と言語の予測の関わりについては先行研究において示唆されているが、まだ実証されていないことからこれについても検証を行う必要がある。本年は計測した fMRI データの解析を行った。その結果、言語情報を予測、補完する際には、言語理解関連領域として報告されている下前頭回、中側頭回において有意な賦活を認めた。また、運動の予測については、左後中心回、右後頭回、右内側前頭前野に特異的な賦活を認めた。加えて言語、運動の共通領域として、言語情報の補完、予測において見られた下前頭回、中側頭回が観察された。実験では、未入力の情報を予測させる内容であったが、言語関連領域が賦活したことから、情報が実際に現れていない場合でも先に意味統語処理をし、文構造を構築していると考えられる。一方、運動においては、先行研究の知見より、一連の運動の動きよりパターンを抽出し、それを元に次に現れる運動、行動情報を構築していると考えられる。言語、運動において共通した処理として、先行研究より入力済み情報から規則獲得を行い、それを援用することが考えられ、言語、運動といった異なる情報モダリティ間における予測、補完処理の共通神経基盤、及び個別の神経基盤が示唆された。今後更なる解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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