2011 Fiscal Year Annual Research Report
異体系アクセント接触地域の学校における生徒の言語変化に関する社会言語学的調査研究
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22652044
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
都染 直也 甲南大学, 文学部, 教授 (30179999)
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Keywords | 京阪式アクセント / 言語接触 / 姫路市 / 垂井式アクセント |
Research Abstract |
当初予定していた調査対象校(姫路市立山之内小学校)が廃校となり、異体系アクセント地域の学校(姫路市立前之庄小学校)と統合された。したがって、話者の選定・調査方法など、大幅な見直しが必要となり、研究の進め方について大きな転換が迫られた。一方で、平成12年の調査、平成22・23年に実施した予備的調査の結果を一部として、地域住民を対象に講演を行なった(姫路市立夢前公民館平成23年8月26日)。 地の利が薄く、調査対象者の紹介が得にくい状況であったが、上記のように地元住民への講演を通して、研究に対する理解者を得ることができ、すでに平成22年度に終えていた調査語彙選定の結果をもって、予備的調査を行なう予定を進めていたが、研究代表者に生じた事情から、以降の調査・研究がやや滞っている。 当初の研究予定地ではないが、姫路市内には、同様に狭い地域において異体系アクセントが接触する地域があり、調査研究対象地域の拡大を図ることができるよう、環境を整えた。すなわち、姫路市家島町における家島と坊勢島とでは、アクセントの体系がやや異なっているが(坊勢方言アクセントの詳細は不明)、家島高等学校には両島からの生徒が通学している。そこで、平成24年度以降の研究対象地域を家島町にも拡大することができるよう、公民館をはじめ関係各所との連携を深めた。 当初予定していた夢前町山之内、新たに対象地域として計画している家島町、いずれにおいてもへき地という点で共通しており、近い将来その本来の地域性も失われていく可能性がある。大きな社会変化が生じる前に、地域におけることばの実態を記録しておく必要があろうと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた調査対象校が廃校となり、異体系地域の学校と統合された。したがって、話者の選定・調査方法など、大幅な見直しが必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は姫路市内陸部を調査対象地域としていたが、合併して新たに姫路市域となった離島においても、体系の異なる方言アクセントが共存する地域がある(姫路市家島町)ので、追加の調査地点とする。
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