2010 Fiscal Year Annual Research Report
企業-大学-従来の日本語教育融合型新ビジネス日本語教育モデルの開発
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22652050
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
神崎 道太郎 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (90304071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 智 徳島大学, 国際センター, 准教授 (90466920)
向井 留実子 愛媛大学, 国際連携推進機構, 准教授 (90309716)
正楽 藍 香川大学, 留学生センター, 講師 (40467676)
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Keywords | アジア人財資金構想 / ビジネス日本語教育 / アカデミック・ジパニーズ教育 / 「報告」場面 / スキル |
Research Abstract |
「アジア人財資金構想」より、大学でもビジネス日本語教育(以下BJ)が行われるようになり、大学での日本語教育が、就職活動中や就職後に求められる能力の養成をも含めたものとなった。しかし、従来行われていたアカデミック・ジャパニーズ教育(以下AJ)は、日本留学試験「日本語」シラバスで「日本の大学において勉学に対応できる日本語力」と規定され、共通の認識があるが、大学でのBJには、現在のところ共通認識が確立されていない。 そこで本年度研究では、まずビジネスにおいて重要とされる所謂「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」のうち、「報告」にかかわるスキルを取り上げ、AJとの比較分析を行った。そして、AJとBJの連続的な教育への可能性を探った。なお、「報告」を取り上げた理由は、それが(1)上司から命令・指示されたこと、(2)結果があること、と定義され、「連絡」や「相談」と比べて、送信者と受信者の関係が明確で、内容も限定されるため、特徴が見いだしやすいことによる。 分析対象は、口頭で「報告」する場面に限定し、ビジネス関連書籍やビジネス日本語の教科書47冊から「報告」場面で必要とされているスキルを抽出、その下位スキルを設けた。AJは東京外国語大学の「JLC日本語スタンダーズ2009」(以下JLC)を用い、「話す(独話)」と「聞く話す(質疑応答・ディスカッション)」にある「スキル」項目を対応させた。 結果、a.「報告」場面で使われる言語に関わるスキルは、AJのスキルに対応する b.「報告」場面を構成する人、物、業務の関係についての文化的・習慣的知識とそれを現場で使えるスキルは、AJのスキルにはない つまり、大学AJでは、bの言語活動を成立させる環境に関わる部分はカバーされず、一方で、aのように、AJは「報告」場面の言語的な部分はカバーしている.従って、BJにおいてはAJで養成される言語スキルを土台として、ビジネス知識を身につけていき、この点を有機的につなげていくことが有効な要点であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)