2011 Fiscal Year Annual Research Report
企業-大学-従来の日本語教育融合型新ビジネス日本語教育モデルの開発
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22652050
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
神崎 道太郎 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (90304071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 智 徳島大学, 国際センター, 准教授 (90466920)
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Keywords | アジア人財資金構想 / ビジネス日本語教育 / アカデミック・ジャパニーズ教育 / 「報告」場面 / スキル / 組織・集団(収益性・合理性の追求) / 社会・環境(企業・組織の社会的責任) |
Research Abstract |
これまで主にビジネスマンを対象としたビジネス日本語教育が、アジア人財資金構想事業の実施をきっかけとして、大学でも広く行われるようになった。従来大学で行われてきたアカデミック・ジャパニーズ(AJ)教育は、大学や大学院の学習や研究に求められる日本語力の育成とされているが、BJ自体については明確な定義付けはなく、多くの場合、就職活動中や就職後の業務遂行において必要となる日本語力と位置づけられ、その能力を獲得するためのカリキュラムが組まれている。 AJとBJは、基礎的部分は共通する、あるいはこの二つを区別すべきではないといった考えもあるが、それらに差異があるのか、あるとしたらその具体的な違いは何かといったことは明確にされていない。社会・会社で求められる日本語スキルとアカデミック・ジャパニーズで扱うスキルを対比させ、その差異を明らかにすることにより、BJで養成すべき日本語力とはどのようなものか示唆を得るため調査を行なった。調査の方策として、社会(会社)で求められる「報告・連絡・相談」のうち「報告」を取り上げ、それを遂行するために求められるスキルと、AJのスキル(JLC)を対応させた。言語に関わる部分は共通するものの、その運用に関わる場、人、事に対する深い理解に関わるスキル・項目は対応せず、BJにのみ見られるものだった。 さらに、実施したアジア人財資金構想ビジネス日本語カリキュラムの全体構成を合わせて分析した結果、組織・集団(収益性・合理性の追求)、社会・環境(企業・組織の社会的責任)の部分に関する導入が、従来の日本語教育との境界線であり、日本語教育の新分野として、日本語教育における新たな可能性を拓く鍵になることが分かった。そのことは成果と思われる。
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Research Products
(2 results)