2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22652059
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
窪田 三喜夫 成城大学, 文芸学部, 教授 (60259182)
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Keywords | 発音矯正 / 超音波エコー |
Research Abstract |
超音波エコー装置を用いて、外国語教育における発音指導の効果的な方法を検討した。 プロジェクト1においては、英語子音を対象にして、日本人英語学習者がどのような口内運動を実際にしているのかを調べた。[r]と[l]の対立、[k]と[g]の対立、[b]と[v]の対立を発音させた。実験の結果、[l]という音素は、モデルに比べて、舌先を歯茎(alveolar ridge)につけることができず、[r]音素よりも発音が難しいことが判明した。また、[k]と[g]の両音素に関して、日本人学習者は、硬口蓋に極めて近づける傾向にあった。[b]と[v]に関しては、モデルと差はなく、日本人英語学習者も正確な口内運動を行ったことが明らかになった。 プロジェクト2においては、超音波エコー装置による発音指導の効果度について実験を行った。日本人英語学習者にとって発音が困難とされる、2タイプの英単語を使用した。1つめは、right-lightのような[r]と[l]の対立、2つめは、train, trap, prideなど、[tr]と[pr]子音連続を対象とした。舌運動がリアルタイムに2次元動画として表示され、超音波エコー画像による舌の動きをモニターした結果、モデルと異なり、舌の形態に大きな差がなく、[r]で丸みを帯びた形にできない傾向があることが判明した。2つめの[tr]と[pr]タイプに関しては、超音波エコー画像によるモニター練習の結果、子音連結の間に母音を挿入してしまうことがなくなり、舌の位置を移動させずに、1つの子音として発音できるようになった。 本研究では、超音波エコー装置による発音指導は効果があるとわかった。但し、今回は20分間の練習であり、英語学習者の現状の発音レベルによる違いや、より長時間の練習時間による効果度に関する追実験が必要である。
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