2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653012
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 啓造 岩手大学, 名誉教授 (60003985)
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 教授 (70133907)
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Keywords | 入会権 / コモンズ論 / 先住民族補償 / 森林保護 / 居住福祉 / 所有 / 環境保護 / 遺伝資源 |
Research Abstract |
今期は初年度でもあり、ますは手会紛争についての実証的現場調査を目標とし、岩手県北の小繋事件の舞台の現状及び山形村の戸呂町についての入会調査を行い(2010.8)、小繋事件については、映画及びそれに関するシンポにも参加した(2010.3)。それ以外に、北富士演習場との関係で、補償問題と絡めて入会訴訟となっている、山中湖村を訪問して(2010.10)、入会権保護のために尽力してきた地元の古老からの聞き取りもした。 なおさらに、別種のコモンズに関する調査としては、兵庫県高砂市における韓浜権の舞台を訪ね、さらに、景観訴訟で全国的に有名になっている広島県の鞆の浦について、福山市側から聞き取り調査をした(さらに、それに関するシンポを地方自治学会で行った)(2010.11)。 他方で、コモンズの管理に関する理論研究としては、ノーベル経済学賞を受賞した、E・オストロム教授の研究に着目して、アメリカインディアナ州・ブルーミントンの同教授の研究所を訪問して、意見交換を行い(2010.6)、その成果については、分担者の早坂教授の研究会で報告した(2010.8)。その新制度学派の研究関心は、代表者がこれまで行ってきた関係理論とも繋げて考えている。 さらに、先住民族の土地利用研究を併せて行い、ハワイ原住民のそれを調査し(2011.1)、またアイヌ民族のそれについては、紋別における産業廃棄物処理場を巡る紛争を調査し(2011.2)、さらにそれを踏まえた先住民族の補償問題についても研究報告を行った(2010.12;2011.4)。まだ活字にはなっていないが、成果の公表を目指して努力したい。
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Research Products
(4 results)