2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653012
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 啓造 岩手大学, ---, 名誉教授 (60003985)
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 教授 (70133907)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 入会権 / コモンズ論 / 先住民族補償 / 遺伝資源 / 森林管理 / 居住福祉 / 資源管理 / 災害復興 |
Research Abstract |
本年度は最終年度で、第1に、入会問題(理論、実態)について、小繋、戸呂、山中湖の事例を踏まえつつ、さらに沖縄の事例等も加えて、多面的に問題状況を考察した。分担者早坂の丹念な文献調査を交えて、実証的研究に厚みを増した。他方で第2に、外材による空洞化が進む国内林業の活性化ないし森林管理のために、「森林認証制度」等の意義、国内林業の課題を整理する。それは中山間地の再生の道を探ることでもある。分担者岡田は、「生産森林組合」による森林経営の方途を論じた。 他方で、よりマクロの見地から、第3に、個人主義的所有論の抜本的再検討のためにも、コモンズ論を再検討することは、既にオストロム理論の分析を行い、そこで示される実証的事例として、森林保護以外にも、海洋資源の保護、灌漑制度、水資源の共同利用等にも、視野を広げて検討した。2011年の東日本大震災での被害からの復興のあり方をも併せて考えてみた。 また第4に、それに関連して、先住民族の伝統的大地(生活空間)利用の哲学についての知見を深める(とくにアイヌ民族の場合)。そして近代的土地所有権の浸透とともに、伝統的共同利用権の侵害の経緯を再度検討し、先住民族が失ったものに対する補償の在り方を考えるとともに、将来的な先住民族のコモンズ思想の活かし方を考える。 この点で、例えば、中国・雲南省の少数民族の土地利用のあり方が、資本主義的な土地所有(それによるゴム園のプランテーション化)による利害得失、その他インドや台湾における伝統的民族の土地利用変遷についても、比較法的に視野を広げて、伝統的な土地利用のコモンズ管理上の意義を追求した。またこれとの関連で、国際会議の課題となっている、薬草などの伝統的知識・遺伝資源の保護に向けての南アフリカやインドでの先住民族の第1次産業保護との比較にも及んだ。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)