2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
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Keywords | 経済実験 / 男性ホルモン / 昇進 / 大相撲 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胎児期テストステロンの暴露量の指標である人差し指と薬指の長さの比率(2D:4D比率)が競争的環境でのパフォーマンスに与える影響を、大相撲の力士の成績と経済実験を用いて検証することである。2D:4D比率が小さいほど、胎児期のテストステロン暴露量が小さいという研究があり、2D:4D比率が小さいほど、いくつかのスポーツ競技ではパフォーマンスが高いこと、金融トレーダーでの成績がいいこと、金融業界への就職率が高いことなどの実証研究が知られている。本研究は、競争に対する嗜好の男女差が生物学的なものなのか否かを明らかにするための基礎的な研究であり、この影響が明らかになれば、男女雇用機会均等政策への示唆が得られる。 平成22年度においては、相撲博物館所蔵の大相撲の力士の手形をデジタルカメラで撮影し、2D:4D比率を計測した。また、「大相撲力士名鑑」から力士の現役時代の昇進、成績、体重、身長などのデータを収集し、データベースを作成した。これらの情報を用いて、2D:4D比率と大相撲での昇進、勝率との関係を計量経済学的に分析した。その結果、2D:4D比率と大相撲における昇進、勝率との間に統計的に有意な負の相関が観察された。 また、男女間の競争選好の差に関する経済実験も行い、2D:4D比率の影響を分析した。暫定的な実証結果によれば、競争選好と2D:4D比率の間には有意な統計的関係はない。
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Research Products
(9 results)