2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653040
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 柳蔵 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (60420006)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 環境イノベーション / リサイクル法 / リサイクル |
Research Abstract |
日本においてリサイクル関連のイノベーションが低迷している。省エネ関連のイノベーションは環境規制に誘発され、規制とは関係ない領域で環境負荷低減につながるイノベーションが促進されているが、なぜ、リサイクル関連についてはうまくいかないのか。 本研究では、リサイクル関連のイノベーションの類型化、諸外国のリサイクル事業と政策の関係、リサイクル事業におけるイノベーション・システムの役割を分析し、リサイクル関連のイノベーションの低迷の原因を明らかにし、イノベーティブな循環型社会を目指す事業戦略及び環境政策の提案を行うことを目的とした。 リサイクル関連のイノベーションの成功事例を収集した。まず、中国(上海)及び東南アジア(タイ、インドネシア)へ調査を実施し、DOWAホールディングスについて調査を行った。また、リチウムイオン電池関連の日本リファイン株式会社(日本、中国、台湾)のリサイクル事業の事例調査及び政策との関係について分析を行った。 その結果、南アジアにおいては、日本と東南アジアのリサイクル技術力の差があるものの、欧米及び日本企業はグローバルスタンダードの廃棄物処理技術を維持しており、主に外国(日系)企業を対象とした廃棄物処理事業が展開されているが、地域の環境問題を引き起こしている有害廃棄物については、日本企業のビジネス領域から外れてしまい、地域の環境問題解決への貢献と廃棄物処理事業の両立がまだ改善の可能性を残していること、また、日本リファインの事例においては、リサイクルすべき材料を廃棄してしまっている既存企業の経営の合理化の進展にまだ不十分なところがあるため、その材料のリサイクルが進んでいない状況が明らかとなった。 リサイクル関連イノベーションは、リサイクル技術を持つ企業ではなく、リサイクル材料を廃棄している製造業の経済的合理化の追求が不十分な点が問題となっていることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|