2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653041
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡辺 真一郎 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (50282330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 雄一郎 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50233854)
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Keywords | 個人-職務フィット / 職務満足 / 看護業績 / 看護行動 |
Research Abstract |
昨年度(平成22年度)は、このプロジェクトの初年度であり、プロジェクトの成功に向けて広範な準備を行った。具体的には、既存の看護行動研究に貢献を果たしてきた産業衛生や臨床心理学分野における理論的研究の上に、組織心理学分野は如何にユニークな貢献を付加し得るかについて、看護の現場で働く看護部長、及び看護師長の方々招いてディスカッションするなど、幅広い情報交換の場を設けた。その結果、調査に耐え得る信頼性と妥当性を有する看護業績尺度、看護行動尺度、性格特性尺度、欲求尺度、職務満足尺度、個人・職務フィット尺度などで構成されるアルファー版質問票を完成することが出来た。特に、書物だけからは得られない現場での経験に基づく意見が大いに取り入れた点が、本質問票の強みだと言えよう。本年度は、この尺度をさらにベータ版へとアップグレードする予定である。 また、海外の共同研究者とは、学会参加の機会や電子メールを利用して活発な意見交換を行った。さらに、カナダから本研究に参加して下さるKwantes准教授が来日し、カナダと日本において共同で予備調査を行った。その結果、看護師が職場で経験する「個人-職務間フィット」と「職務満足感」の間の相関は、文化の差を越えて、共にプラスであることが確認された。一方、年齢や勤続年数が高くなるにつれ、職務満足がカナダでは高くなるが(正相関)、日本では低くなる(負相関)という大変興味深い差異をも見出すことができた。本年度はこの差異がどこから来るのか、という新たな問題にも向き合っていく予定である。
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Research Products
(1 results)