2011 Fiscal Year Annual Research Report
キャリアプロセスに関する複合的データの構築と分析:人事データと個人データの統合
Project/Area Number |
22653045
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
武石 惠美子 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70361631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 厚 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (10388051)
上西 充子 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (80366830)
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (90366831)
林 洋一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (70454395)
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Keywords | キャリアプロセス / 人事データ / 心理的測定尺度 / キャリアサクセス |
Research Abstract |
本研究は、学校から職業への移行期そして職業生活を通じて展開されるキャリアプロセスを「キャリア・サクセス」の連なりと見なし、このキャリア・サクセスに対して、キャリアを体験し意味づける主体たる個人の視点(主観的・内的キャリア)、及び個人のキャリアに影響を与える外的な企業組織の視点(客観的・外的キャリア)という2つの観点から接近するものである。特に個人の主観的・内的キャリアの視点では、これを測定するための信頼性・妥当性の高い心理的測定尺度が日本では開発されておらず、適切な尺度開発を進めることが本研究の課題である。この主観的キャリア・サクセス(心理的測定尺度)と客観的キャリア・サクセス(人事データ)を突合させ、「複合的」に構築・分析することにより、個人のキャリアプロセスをトータルに捉えることができる点に本研究の意義がある。 平成23年度は、平成22年度に実施した心理的測定尺度開発のためのweb調査の分析を進めた。具体的には、個人の主観的・内的キャリアの尺度の分析を深め、その構造を明らかにした。また、これら心理的測定尺度が、客観的・外的キャリアとどのように関連しているのか、という点に関する分析も進めてきた。さらに、開発した尺度と現実の企業内でのキャリア形成との関連性を明らかにするために、企業が蓄積する人事マイクロデータとのマッチングを図ることを目的にして、複数の企業とその可能性について検討を進めてきた。 同時に、大学生に対する調査の蓄積、分析も進め、学会での報告や論文の執筆を行っており、これらのデータ分析により、個人のキャリアプロセスのあり方についての研究を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度実施した調査の分析により、心理的測定尺度の構造分析を行うなどの作業を進めてきている。また、この尺度を使って企業の人事マイクロデータとのマッチングを図るためには、企業の協力が不可欠であるが、この協力を得るために、複数の企業とその可能性や実施する場合の方法等について検討を行ってきており、これを進めることにより、尺度の妥当性の検証にあたって当初の目的を達成することができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、個別企業の協力を得て、企業内人事データと心理的測定尺度を用いた個人データを収集し、統合して分析を行う(複合的データの構築と分析)こととし、分析結果は、報告会や学会等で公開し、協力企業の拡大を図る。一方で、法政大学キャリアデザイン学部卒業生の卒業後の追跡調査については、経費的な理由から実施は難しいため、学部在学を対象にして実施してきている調査を継続実施し、その経年変化についての検討を進めてデータ蓄積を進めていくこととしている。
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