2011 Fiscal Year Annual Research Report
マーケティング理論の再解釈に向けて:非営利組織研究と関係性概念
Project/Area Number |
22653050
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
石井 淳蔵 流通科学大学, 商学部, 教授 (50093498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 健 山口大学, 経済学部, 准教授 (50311816)
高室 裕史 流通科学大学, 総合政策学部, 教授 (30368592)
明神 実枝 中村学園大学, 流通科学部, 講師 (60461480)
水越 康介 首都大学東京, 社会学研究科, 准教授 (60404951)
横山 斉理 流通科学大学, 総合政策学部, 准教授 (70461126)
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Keywords | 公共・非営利 / マーケティング / 関係性 |
Research Abstract |
本研究は、公共・非営利マーケティングの考察を軸にして、関係性概念の再構成を行い翻ってマーケティング論そのものの刷新を目的とする。 最終年度となった本年度は、これまでの研究成果をとりまとめ、5月には商業学会全国大会にてテーマセッションを行った。本テーマセッションでは、全体の理論枠組みを提示した後、個別事例についての分析を進め、活発な議論につなげることができた。その後定期的に研究会を開催し、報告内容の精査を続けるとともに、各研究の論文としてのとりまとめを進めた。 本研究の結果、大きく3つの発見をすることができた。第一に、公共・非営利マーケティングでは、交換概念やマーケティング・マネジメントというよりは、関係性概念を軸にして理論的な考察を深めることができるであろうこと。第二に、特に非営利組織にとっては、何が非営利であるかという点において常に議論が必要とされており、その構築的性格の考察こそが非営利マーケティングの一つの考察点となること、またその際には、関係性に注目することで、非営利性を捉えやすくなること。最後に第三として、関係性概念め徹底は、誰が顧客であり、何がニーズであるのかという問題を相対化し、むしろ実践の中で多様なステイクホルダーや利害が生じることを捉えられるようになること。これらを発見することができた。本研究は、これからのマーケティング研究一般において、重要な示唆を提示すると考えられる。
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