2011 Fiscal Year Annual Research Report
創造的高齢者における抗加齢現象-脳機能に着目した新たな心理的加齢モデルへの挑戦-
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22653085
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
堅田 明義 中部学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60015435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 桜子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 教育福祉学部, 研究員 (60326816)
水上 喜美子 仁愛大学, 人間学部, 講師 (00387408)
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Keywords | エイジング / 高齢者 / 創造性 / 脳波 |
Research Abstract |
本年度は、「自ら何かを作り出す創造的な活動」を行う高齢者を対象に、「余暇活動」が日々の生活満足度にどのように関連しているのかについて検討した。 対象者は、スポーツ施設や趣味の講座やサークルなどで定期的に活動している無職の高齢者12名,男性6名(年齢範囲70-80歳),女性6名(年齢範囲66-74歳)であった。本研究では、日誌法を用い、次のa)~g)の調査を実施した。a)生活満足度:1日の満足度(Oishi,S.,&Sullivan,H.W.,2006)は7件法で回答を求め,その判断理由についても自由記述で記入を求めた。b)生活充実感:自己肯定意識尺度(平石,1990)の下位尺度「充実感」の5項目を5件法で回答を求めた。c)気分:簡易気分調査票日本版(田中,2008)の肯定的感情(4項目)と否定的感情(5項目)を7件法で回答を求めた。d)対人関係:対人関係尺度(内田,1990)の生活感情尺度の下位尺度(以下,対人関係)とその日に交流した人数について記入を求めた。e)活動時の気分:小川ら(2000)が作成した一般感情尺度12項目を用いた。f)活動満足度:10件法で記入を求め,その判断理由についても自由記述で回答を求めた。g)その他:睡眠感(OSA睡眠調査票MA版;山本ら,1999)や主観的健康感(4件法),食事および食欲などであった。さらに、参加している「余暇活動」について,その目的や継続期間,活動頻度や実施形態,活動を通しての交友関係および,今後の活動希望などについて尋ねた。 この結果、「余暇活動」への参加は,高齢者の日々の生活満足や充実感を高めていることが認められた。つまり,「余暇活動」によって得られた満足感が,1日の満足度を高めていることが推察できた。今後、さらに、脳機能などの生物学的側面との関連を検討することにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、余暇活動に継続して取り組んでいる高齢者を対象に、調査を実施することができた。ただ、一部のデータの入力がまだ完了していない。また、データ解析もすべて完了したわけではないので、今後、引き続き行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データ解析を行い、脳機能などの生物学的側面、主観的幸福感などの心理的側面、地域との交流などの社会的側面の間の関連性について検討していきたい。さらに、対象者を増やしていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)